自分の“やりたい”に、正直でいよう。
そう決めたとき、真っ先に浮かんできたのが、ミュージックビデオでした。
作ろうって決めてからは、色んな曲が頭に巡った。
あれもいい、これもいい、それも捨てがたい、、、
でも、映像の力を借りて、みんなにより深く届けたい曲はどれなんだろう?って考えたら、「言えずじまい」が残ったんだ。
曲が決まった瞬間に、頭の中でイメージが爆発して、破片が舞い上がった感じがした。
拾い集めようと思ったんだけど、どうにも量が多くて、うまく集められなくて。
ねえ、手伝ってくれない?って相談したのが、いつもライブ映像を編集してくれている田巻さん。
こんな事したい、こんな感じはどうかな、という、まとまりの無いわたしの意見に、興味深く耳を傾けてくれました。
横井玲 初MV「言えずじまい」は、ここから始まったのです。
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「言えずじまい」の歌詞はね、ひとり言なの。
登場人物はたくさん居るけれど、みんな最後まで、主人公の頭の中だけで生きてるでしょ?
だから、家でひとり過ごしているイメージがいいなっていうのは、すぐに決まったんだ。
でも、実際わたしの住んでる家で撮るには、奥行きやらなにやら難しい。
じゃあハウススタジオを探そうってなって、あのスタジオに出逢って、一目惚れしたの。
ベッドがロフトにあって、天井が高くて、ピアノもあるし、すごく素敵だよね!
いつかこんなおうちに住みたい。
ちなみに、他にも真っ白なお部屋のスタジオとかもあったんだけど、あまりにも嘘っぽい(わたしが住んでなさそう)感じがしたので、やめました、、、
あと、色んなひとに言われたんだけどね、わたしもね、パッチを出演させたかったの。心底!!
だけど、パッチは家猫だし、本当に臆病だから、外に連れ出すのはすごく難しくて。
涙を飲んで諦めました。
パッチとごろごろしたり、餌あげてるシーン、入れたかった〜!
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撮影当日、最初に撮ったのは、ピンクのワンピースで歌っているシーン。
わたしは本当に口パクが出来なくて、しようとすると、口しか動かないのね。
表情も動きも付かないし、目とか死んでるし、なんか魚みたいになっちゃって、、、
だから、全部で10回くらいかな?全力で歌いました!
カメラが、予想してたよりずっと、大きくてね、なんか見たこと無い形をしてて、恐竜みたいで、、、
カメラが動くと、思わずそれを目で追っちゃって、何回かNG出しました。笑
そうそう、NG集も近いうち、ファンクラブ限定で公開しようかな〜と考え中です。
見たい?笑
こちらは先日、肉球日記にNGカットを載せた、スチール撮影をしてもらってるところ。
セッティング変えの時など、合間を縫って撮ってもらってたよ!
今わたしがプロフィールやフライヤーに使っている写真は、どれもこの日に撮ったもの。
あんまり分からないかもしれないけど、わたし、こんなに薄化粧で公式写真を撮ったのは初めてで、これもある意味挑戦だったんだ。
だけど、挑戦してよかった。今の写真たち、とても気に入っています。
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歌のシーンを撮り終えてからは、Tシャツデニムに着替えて、イメージシーン。
敷いてあるラグは、自分の部屋で実際使っているものを持って行きました。
歌詞を考える時は、本当にこんな感じ。
悩み事があって集中できない時は、MVの通り、途中でバタッと挫折して、別のことをやりだします。笑
曲を作る時は、実際ピアノの前で。
ちょっと弾いて、書き直して、弾いて、歌って。これも、完全に再現。
撮ってない間は、バースデーライブの直前だったと言うこともあり、弾き語りの曲を練習してました。
でもピアノの調律が全くされてなかったので、なんの曲か分からなかったよ、、、笑
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ソファーシーンでは、今ちょうど読みかけの本を、読みかけの位置から読んでました。
あんまり映ってないけど、表紙に小憎らしい猫が描かれてたから、これにしたの。
あと、電話を切った後のシーンで、窓越しのカットがあったでしょう?
あれは本当に、スタジオの外から撮っていたんだよ〜、こんな感じ!
真剣なカメラマンさん相手に、横井ふざけるの図。
電話のシーンは、スタッフさんに実際電話をかけてもらって、会話をしたよ。
疲れててだるいけど、外面はいい、というのを表現しようと、わたしが出した案でした。
スマホを投げ捨ててるところ、正面の顔は、怖かったらしい、、、笑
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日も暮れてきて、いよいよ終盤。冒頭のベッドシーン。(こうやって書くとなんか違うね)
このシーンの窓から降り注ぐ朝日は、なんと照明さんが作ってくれてたの!
凄ーーーい!!感激しちゃった!
多分この朝のシーンを、初めに思いついたんじゃなかったかな。
寝て覚めてもスッキリしない、前の日からひきずってきたモヤモヤを、なんとか描きたかったの。
あとここね、みんなに、裸かと思ったって言われたけど、
ねえ。それじゃあ本当にベッドシーンになっちゃうじゃん。笑
確かに、Tシャツがまくれてて、着てないようにも見えなくも、、、いや、着てるよ!
このベッドが置いてあるロフトが異様に暖かくてね、横になって待機してたら眠くなっちゃって、一瞬本当に寝ちゃった。
もうこの写真とか、完全に寝起きだよね。笑
ちなみに、MVの中でやってる二度寝は、超リアル。だそうです。(母談)
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最後は夜のシーン。こんなに暗いスタジオで、撮影しました!
わたしは映像のこと全然わからないから、こんなに暗くて映るのかな?とか思っていたんだけど、出来上がりはご覧いただいた通り。
クリエイティブチームの技が光るよね。
ここは、この曲の中で、一番大事なシーン。
暗がりも相まって、結構思い詰めてしまいました。
一日無駄にして、うだうだ考えて、それでも足が動くまで、こんなに悩む。
誰かに素直になると言うことは、見たくもない自分自身の濁りを、目の当たりにすると言うことだから。
でも、伝えなくちゃいけない。動かなくちゃいけない。
いつも同じように明日がやって来るとは、限らないから。
まだ間に合うなら、遅くない。あなたも早く、自分の部屋を飛び出してみて。
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こうして、長い長い一日を終え、撮影は無事終了!
最後に、この写真を撮りました!
左上から時計回りに、スチールのヤギシタヨシカズさん、制作の石田直さん、照明の中村晋平さん、照明助手の窪田大輔さん、ヘアメイクの池田幸子さん、監督兼カメラマンを務めてくださった田巻源太さん。
最っ高のチームでした!
本当にね、この中の誰が欠けても、絶対出来なかった作品なの。
丸一日の撮影の間、不穏な空気が流れる瞬間なんて一度も無くて、笑い声の響くスタジオだった。
それがわたしは心の底から嬉しくて、感動したし、幸せだった。
誰かと何かを作るって、こういうことだって、肌で感じた一日でした。
でもね、作品は見てくれるひとが居て、初めて形や色を宿すと思うから。
このMVを観てくれて、よかったよって言ってくれたり、色んな形で広めてくれたみんなに、虹猫ズに、本っ当ーーーに感謝してる!!
改めて、いっぱいいっぱい、ありがとう!!
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長々と綴ってしまったけれど、どうだったかな。裏側、覗けた?
わたしがこの曲に、映像に、込めた想い。届いていたら、嬉しいです。
わたしの“やりたい”は、まだまだ、まだまだ残ってるから、次回作も楽しみに待っていてね!
2015.4.20 玲